興運堂福島店のお仏壇・仏具マメ知識⑥「お仏壇の表面材料」
人工木には無い高級感、時間の経過とともに味わい深さが増してくる天然木。
天然木には厳しい自然環境の中で生き抜いてきた歴史が刻まれています。
天然木のお仏壇は、木が持つ様々な表情(濃淡・光沢など)や温もりを活かして作られています。
※唐木(カラキ)・・・唐木は、シタン、コクタン、ビャクダン、カリン、タガヤサンなど、熱帯地方から日本への輸入銘木全般の総称。もと中国を経て輸入したことから「唐木」といいます。
江戸時代や明治時代から現代まで、家具、仏壇、楽器などに広く使われ、特にその美しさや耐久性が評価されています。
本黒丹(縞黒丹)

本黒檀は、仏壇に使用される高級木材の一つで、世界三大唐木の一つに数えられます。黒地に美しい木目には重厚感があります。極めて硬く、虫や菌に侵されにくく、乾燥にも強いため、高い耐久性を持ちます。
黒丹(アマラ黒丹)

アマラ黒檀は、カキノキ科の落葉高木で、唐木素材として使用され、芯材には黒色と赤茶色の不規則な縞模様が特徴です。木質は縞黒檀より軽柔で、導管がやや太く、磨くと光沢が出てきます。
紫丹(チンチャン)

紫丹は、赤紫色で、独特の色合いが特徴で仏壇に使用されることで、重厚で落ち着いた雰囲気をもたらします。堅くて重い木材です。現在、輸入が停止しており、希少価値の高い木材となっています。
紫丹系(グラナディロ)

グラナディロは、細かく、美しい木目が特徴で、仏壇に高級感と美しいデザインを与えます。腐食に抵抗力があり耐久性に優れた木材です。使用していくうちに独特の風合いが生まれ、味わいが増していきます。
シャム柿

シャム柿は、中南米が原産で産出量が少なく、希少価値の高い高級材です。表面硬さは紫檀などに匹敵する硬さで固く高い耐久性を持っています。灰褐色で、濃淡のある縞模様が特徴で、磨くと美しい光沢が現れます。
屋久杉

屋久島に自生する樹齢が1000年を超えるものが屋久杉と呼ばれます。成長が遅く木目がぎゅっと詰まった美しい木材です。年輪が詰まっているため、圧縮・引っ張り・曲げなどの強度も高く、樹脂分が多く防腐性に優れています。
本欅

本欅は、日本で古くから親しまれてきた木材で、密度が高く、極めて硬く耐久性があり、心材は紫がかった茶褐色で、美しい木目が特徴です。色が濃いほど高価になります。乾燥に時間がかかり何年も寝かせる必要があり、品質の良いものは高価になります。
槐(えんじゅ)

槐は、和木の一つでマメ科の落葉高木です。古来より日本建築の床柱や玄関の上がりカマチ等に魔除けとして使われて来ました。薄茶色の木目で、槐の仏壇は、落ち着いた雰囲気です。堅くて腐りにくいため、長持ちする仏壇を作るのに適しています。
ウォールナット

ウォールナットは、チーク、マホガニーと並ぶ世界三大銘木の一つとして知られ、1つの幹から採れる量が少ない、希少木材です。独特のくすんだ色合いと、美しい木目、硬く狂いが少ないという特徴があります。モダン仏壇の材料に使用されることが多いです。